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近所の道端で見た花です。紫色がきれいでした。
2006.11月 「壊す力、鳴らす力」



早いものでもう11月。
このサイトを立ち上げて、ちょうど1年が過ぎました。
毎月こうしてDIARYのページを書いて来ましたが、元
もと文章を書くのが苦手な私が、我ながらよく続くものだ
と思います。また、地道にコツコツやれば、苦手な事もで
きるものだな…とも思えます。

さて、今回は少々抽象的なお話になりそうです。
先日、お客さんとの会話の中で頂いた言葉なのですが、音
楽や楽器を深く追求した事がある方なら、今回のタイトル
の2つの力について、その違いを考えたり悩んだりした経
験が、一度はあるかもしれません。深く考えた事がなくて
も、両者が似て非なるものであることは何となく感じられ
るのではないでしょうか。
なかなか気づかないものですが、私達が日常的に用いる機
会が多いのは、圧倒的に前者、「壊す力」でしょう。
物理的に何かを破壊する力は、私達が意識する以上に強力
で、よく「火事場の馬鹿力」と言われるように、非常時に
その本領を発揮する事が多いようです。
この力は潜在的に誰にでも備わっているはずですが、平時
にその力を出そうと思っても、意外と小さなエネルギーし
か生み出せません。例えば、素人がいきなり瓦10枚を素手
で割ろうとしても無理な話です。

ところで、皆さんは、楽器で大きな音を鳴らそうと思った
時、どうしますか?
渾身の力を込める事に意識を集中しますか?
もちろん、ここで言う楽器とは増幅装置のない生楽器、大
きな音とは、人間の耳に到達しやすく、人間が大きな音と
感じる音、所謂「抜ける、通る、迫力ある」音という意味
です。
意外に思われるかもしれませんが、楽器は力で鳴らそうと
すると、大きく鳴るどころか、却って音は鳴りません。
体格の良い男性よりも、むしろ力の弱い女性の方が音を上
手に鳴らせる場合が多いくらいです。
力が入っていると、大きな音が出ないばかりか、例えばギ
ターの弦を切ってしまったり、ドラムのヘッドを破ってし
まったり、最悪の事態としては人体や楽器本体に予期せぬ
ダメージを与えてしまう可能性さえあります。
それは「鳴らす力」ではなく、「壊す力」として潜在的な
力を使っているからです。
ご存知のように、音は物体が振動し、その振動が空気を伝
わって私達の耳に届いて初めて音として認識されます。
容易にお解かり頂けると思いますが、効果的に音を出すに
は、まず物体が最もよく鳴るポイントとタイミングを的確
に捉え、上手に振動させなくてなりません。そして一たび
音が出たら、その振動をを妨げない事が肝要です。
ところが、身体に余分な力が入っていると、物体に適切な
エネルギーが伝わらないばかりか、その力がせっかく出た
音を止める方向に働いてしまいます。アンプやP.A等、
増幅装置の助けを借りるにしても、生音の段階で良い音色
(ねいろ)が出ていないと、カッコイイ音として増幅して
もらえません。不快な音が増幅されるだけです。
矛盾するように思えるかもしれませんが、楽器を上手く鳴
らし、良い音色(ねいろ)を出したいと思ったら、無分別
に力を込めてはいけません。

力をコントロールするというのは本当に難しいものです。
もし、楽器が上手く鳴らない、良い音色(ねいろ)が出せ
ないと感じる事があったら、楽器や機材のせいにする前に
鳴らす力を使えているか、壊す力を楽器に対して加えてい
ないか、今一度検証してみて下さい。
具体的なノウハウに関してはスタジオご利用の際に機会を
譲るとして、この場での言及は避けますが、音楽や楽器を
楽しむ上で、何かを解く鍵になれば幸いです。


Gibson Les Paul
去年の新宿タイムズスクェアのイルミネーション
Cstのドラムセットは1タム2フロアです。
EDS-1275
秋の空のうろこ雲。見事です。
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