| 2007.11月 「思い出の曲」 今日から11月。月めくりのカレンダーも、残り2枚となり ましたが、この季節にしては温暖で、先月は日中、初夏を思 わせる日々もありました。 過ごしやすくて食も進み、睡眠にも適した気候で有り難いの ですが、季節感という点では少々違和感も感じます。 突然寒くなる可能性もあり、疲れが出やすい季節でもありま すので、体調管理には十分ご注意下さい。 最近私は、お客さんのお薦めもあって、20〜30年前に製作 されたり、ヒットしたりした音楽を聴く機会に恵まれていま す。永遠の名曲は、いつの時代にも自分を連れて行ってくれ ます。 さて、今回のタイトルを見て、皆さんは思い浮かぶ曲があ りますか? 若い頃に擦り切れるくらい聴き込んだ名曲や、子供の頃に慣 れ親しんだ歌、テレビのCMでよく耳にしたメロディー。 一世を風靡したヒット曲でなくても、自分の心に深く刻まれ ている音楽…。 たとえ「この曲!」と即答はできなくても、誰でもそうした ものを1つは携えて、人生を歩んで来たことでしょう。 そして恐らく大部分の人は、思い出の曲が脳裏に浮かぶと同 時に、それを聴いていた、或いは聞こえてきた時の状況や情 景、その時の感情なども一緒に浮かんで来るはずです。 その曲を耳にした当時が一瞬にして思い起こされ、「この曲 を聴くと、子供の頃の事を思い出すよ」とか、「あの時はあ んな事をしていたっけ…」とか、「この曲がかかると、あの 人の顔が浮かんで来るんだよなぁ」といった具合に、思いは 尽きないと思います。所謂、思い出の曲です。 ところが、その曲を聴いていた時の情景や感情が全く浮か ばないのに、思い出そうとしても思い浮かべる事すらできな いのに、妙に懐かしさを覚える事はありませんか? 新譜を除く事は言うまでもありませんが、初めて聴く曲であ るはずなのに、そうは思えなかったり、その曲がヒットした 時には、まだ自分は生まれていなかった、或いは物心がつい ていなかったのに、何故か日常的に聴いていたかのような気 分になる時が。 もちろん、昔のヒット曲が再び取り上げられたり、古い映像 と音楽がテレビ放映されたりして、記憶が塗り重ねられる事 もありますが、この場合は、明らかに意識下で観たり聴いた りした結果の記憶ですから、前述の話とは少々異なります。 「デジャ・ヴ」の感覚に、少し似ているかもしれませんね。 それは、物心つく前の子守唄代わりだったかもしれません し、まだ母親のお腹の中にいる時に、外の世界でよく流れて いた曲なのかもしれません。聴く意志をもって聴いていたの ではなく、ただ「聞こえていた」に過ぎないのかもしれませ んが、聴こうとして聴いていたのでなくても、多分、私達は それを確かに「聴いていた」のです。 或る曲を聴くと、今だに幼い時の自分に戻ったような気持 ちになる、そんな曲が私にもあります。 しかし、幼い時の情景が鮮明に目に浮かぶ事はありません。 どんなに記憶を手繰ってみても、そこには生まれる前の自分 を思い出そうとしている私がいるだけです。 人間の記憶装置というものは、本当に不思議なものです。 皆さんも一度、そんな曲を探す旅に出てみて下さい。 特に何かを仕掛ける必要はありません。 懐かしいという気持ちを大切にしていれば良いだけです。 もし探し出せたなら、それは今までも、そしてこれからも、 一生思い出の曲であり続けるでしょう。 その曲こそ、あなたの人生における本当の、「思い出の曲」 です。 |
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