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スタジオ・ペイジ
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| 2008.3月 「ジミー・ペイジ御大がくれた勇気」 今日から3月。先月初旬の積雪が嘘のように、ここ最近の 日中は暖かく、春の到来が感じられます。 本格的な春も、もうすぐですね。 気候自体は不安定ですし、花粉も飛ぶ季節ですので、外出な どの際は体勢を整えて臨みましょう。 さて、今月も個人的信条の絡むお話となって申し訳ないの ですが、お付き合い下さい。 昨年の秋以降、私の周りはフェイバリット・アーティスト の筆頭であるレッド・ツェッペリンに関する出来事で、やや 賑やかな雰囲気です。 以前の DIARY や Column & Topics で書かせて頂いた通り、 数年振りにCDやDVDがリリースされたり、デビュー当時のレコ ード会社社長の追悼コンサートが行なわれたり、更に、有り 難い事に、スタジオのお客様が様々な情報を寄せて下さるの で、話題としては豊富過ぎるくらいの日々が続いています。 そして先月、ギタリストのジミー・ペイジが単独で来日し ていたらしく、雑誌やラジオ、テレビ等でそのコメントを聞 いたり見たりできるという嬉しい状況も加わりました。 そもそもツェッペリンのメンバーは皆、テレビやマスコミが 嫌いで有名なくらいでしたので、今回のような露出の仕方は 何らかの心境の変化を感じさせます。 一例ながら昨日までの一週間、深夜の音楽番組にジミー・ ペイジがテレビ出演して、5分という短時間、インタビュー に答えていました。 ジミー・ペイジ御大の生の声が聞ける事自体滅多になく、し かもオフ・ステージでテレビに出演となれば、非常に貴重な 出来事であるにもかかわらず、残念ながら私が観る事ができ たのは2日分だけでした。 番組内容としては、一問一答形式のインタビューにペイジ御 大が回答するというものだったようです。 大音楽家のインタビュー番組としては他愛の無い質問もあり ましたが、周囲の状況や雰囲気を気遣いながら穏やかに、か つ紳士的な物腰で話すジミー・ペイジを目にする事ができま したし、音楽雑誌等で読む事ができるマニアックな中身とは 一味違うプライベートな話題のやり取りは、とてもリラック スして見入る事ができました。 中でも印象的だったのは、「ギターという言葉から連想す る事を一言で言うと?」という問いに対する回答でした。 皆さんは、答える前に一旦身構えたジミー・ペイジが、どん な言葉を発したと思いますか? 「ギター? 一言では言えないけど、良い表現があるよ。 大切な女性。」 これがジミー・ペイジ御大の答えでした。 楽器に対する愛着は人一倍深い人だという事は、40年近く 前に入手したギターを今でも所有し、かつ現場で使用してい る事からも分かりますが、歴史に残る程の人物が、愛器に対 してこうした感情をもっている事に感動を覚えました。 また、別のインタビュー記事を読んだお客様の話では、こ んな趣旨のコメントしていたそうです。 「ここ数年、現代のミュージック・シーンにおいて、僕は何 をしたら良いのか、何ができるのか分からなくて、10年くら いギターも弾かなくなっていた。ふとした事からギターを手 にし、自分達(ツェッペリン)のかつての曲を聴いてみたら、 改めてその音楽の凄さや我々がした仕事の素晴らしさがわか った。そしてその時思ったよ。僕がギターを弾くのは、神か ら与えられた『使命』なのだと。僕はまだ64歳だ。昔のよう な弾き方はできなくとも、今の年齢や気持ちに沿ったプレイ をすればいい。いや、そうなくてはならない。そんな気持ち にメンバーのみんなも賛同してくれたんだ。」 これがツェッペリン再結成ライブと呼ばれるものへと繋が った訳ですが、人間なら誰でも、気が晴れなくてそれまで続 けていた事を止めてしまう事があるのではないでしょうか。 それが、天才と云われるジミー・ペイジ御大にもあったなん て耳を疑いましたが、同時に人として素晴らしい生き方だと も思いました。そして自分が恥ずかしくなりました。 私も仕事の忙しさを言い訳に、しばらくギターから遠ざか っていて、「前はあんなに弾けたのに、もうこのまま弾かな くなってしまうのかなぁ…」などと意気消沈していました。 しかし「ペイジ御大は60歳を超えてなおツェッペリンを弾く というのか!?。御大より何歳も若い私が、こんなんじゃい かん!」と奮い立ち、私も数年振りにレスポールのケースを 開け、まずはメンテナンスとリペアを始めたのでした。 言うまでもなく、またツェッペリンを弾くためです。 私はこれまで、自分のスタジオに名前を拝借するほどとは 言え、ジミー・ペイジを「自分の趣味の延長線上の最頂点に いる凄い人」という捉え方しかしていませんでした。 しかし最近になって、老いた身を嘆いたりしぼんだりする事 なく、使命感をもって前向きに生きる御大を、人生の先輩と しても敬愛するようになりました。 きっとジミー・ペイジ御大はこう言って諫めるでしょう。 「僕より遥かに若い君が一体何を立ち往生しているんだい? 第一、僕に対する君のこだわりなんてまだまださ」 もちろん、これは私の勝手な思い込みですが、皆さんにも こんな風に自分の背中をドン!と押してくれる人がいたり、 出来事があったりする事でしょう。 特にフェイバリット・アーティストは、そうした存在である 場合が多いのですが、それは、誰の心の中にも必ずいるもの だと思います。 仕事にしても趣味にしても、一つの事を頑張り続けるのは 苦痛や忍耐を伴う場合も多々あります。 しかしそれ故、輝かしい営みであると私は信じています。 私はジミー・ペイジ御大から、涙が出るくらいの勇気をもら いました。 |
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