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スタジオ・ペイジ
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2008.4月 「リペア & チューン」 4月になりました。気候も平年並みに暖かく、ようやく春 らしくなりました。 今月は年度初め。新たな門出を迎えた皆さん、おめでとうご ざいます。期待や不安、戸惑い…、様々な思いが入り交じっ た気持ちでいらっしゃるかもしれませんが、或る意味一生に そう多くは味わえない貴重な感触だと思いますので、その新 鮮な初心を忘れずに、時々思い出しながら躍動的に前進して 行って下さい。 さて、先月のDiaryで、私は「数年振りにレスポールのケ ースを開け、メンテナンスとリペアを始めた」とお話し致し ました。今月はそれに絡んだ事ついて、少しだけ書いてみよ うと思います。 私はギターをはじめ、作り手の意図やこだわりが感じられ る、いわゆる作り込まれた楽器が大好きですが、数多くは所 有しない主義です。 このホームページ上の所々に登場するレスポールやWネック は私の愛器達ですが、「これさえあれば良い」というメイン の1本と、異なる機能が必要な場合のために違うタイプのギ ターが1本、両親が誕生日にプレゼントしてくれて、私がギ ターを始めるきっかけになったアコースティックギターが1 本、これら必要にして十分な楽器だけ所有して、それを愛着 を持って長年弾き込んで行くのが好みです。 楽器は異なる品種の木を複合的に用いて作られている物が 多く、個体となった後もそれぞれが外気の温度や湿気に応じ て伸びたり縮んだり、呼吸のような事をしたりしています。 楽器は自分で移動したり不調を訴えたりはできませんので、 特に日本のように環境の変化が激しい風土では、保管の仕方 には注意が必要ですし、それに適した調整やメンテナンスが 欠かせません。 一方、そうした保全整備的な観点とは別に、楽器に積極的 に手を加えてチューンするという切り口もあります。 例えば、ギターのネックを自分好みの握り心地にリシェイプ したり、ボディ色を塗り替えたり、パーツをグレードアップ したり、フェイバリット・アーティストの楽器と同仕様に改 造したり、或いは長年使い込まれ、経年変化したようなエイ ジド加工を意図的に施したり…、といった内容で、これらは 前述の調整作業を含め、広く「リペア」と呼ばれています。 ジミー・ペイジ御大のように、ギターを「大切な女性」と 言い切れるかどうかはともかく(先月のDiary参照)、楽器 に対しては私も愛情を持って長く接し続けたいですから、通 常のメンテナンスにはもちろん気を配っていますが、それ以 外に、メインのレスポールには、かなりの手を加えて来まし た。「買った時のまま」の部分は本体に一箇所も無いと言っ て良いくらいです。 それは、自分の楽器をジミー・ペイジ御大の愛器と同じにし たいという夢のような思いと、楽器をまるで自分の体の一部 のように思えるくらいフィットさせたいという欲求、この2 点からですが、手間暇かけた甲斐あって、自己満足ではある ものの、高い満足度を感じ得る段階まで仕上がりつつあるよ うに思えます。 ただし、こうして楽器に手を加える事には「見極め」が肝 要です。楽器に限らず、人間という生き物は、何故か気にな り出すとどうにも気が収まらなくなり、どんなに手直しして もし尽くす事ができない気分になるものです。時間が経過す ると、それまで見えなかったより細かい部分が見えるように なったり、1箇所が綺麗になると他の箇所とのバランスが崩 れ、手付かずの部分がみすぼらしく見えたりするためです。 また、楽器が上手に弾けない、好みの音が出ないのは楽器 に問題があるからではないか、と誤解する要因にもなり兼ね ません。そうなれば永遠に手直しをし続ける事になり、楽器 を手に取って弾く事よりも、リペア自体が本線となってしま います。まさに本末転倒です。 「何のためのリペアか」 この事に一本筋を通せば、楽器を帆船模型や彫刻芸術のよう に捉える趣向も悪くないですし、そうした楽しみ方もとても 魅力的な世界に思えます。 しかし、当然、リペアには作業日数も費用もかかりますし、 何より、楽器は弾いて鳴らしてあげる事で、ようやく開花す る潜在能力の発育を、一時的にであれ抑止してしまう原因に もなり得ます。 リペアは、あくまでもプレイアビリティを向上させたり、楽 器本来の持ち味を引き出すための「手段」であるという前提 を忘れないようにしつつ、私は楽器と接する事を楽しむ事に しています。 レスポールのリペア経過については、また別の機会にお話し したいと思います。お楽しみに。 |
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